性別違和とは
【定義】性別違和は、長期間持続する異性への強い同一化を特徴とし、
不安、抑うつ、いらだちのほか、しばしば出生時に割り当てられた性とは
異なる性別として生きたいという望みを伴います。
性別違和を有する人は、しばしば自分のことを生物学的な被害者と認識し、
非情にも自身の主観的な性同一性と相容れない肉体に
閉じ込められていると確信していることが多いです。
最も極端なタイプの性別違和は、性転換症と呼ばれることがあります。
出展:George R. Brown , MD, East Tennessee State University
「決められた性別」と「体験している性別」が異なる状態で、
性同一性障害を含むより幅広い概念として新しく作られたものです。
どれくらい多いの?
診断基準を満たすとされる割合
実際はそれより多くの人が自身をトランスジェンダーと考えていますが、
それらは性別違和の基準は満たしていないため、数字には含まれていません。
※DSM-5記載より
原因
- 原因不明
- ー
- 社会的因子
- 両親の情緒的な絆の特徴、
両親のそれぞれが子供ともつ関係
など
- 遺伝的要因
- ターナー症候群、
クラインフェルター症候群
症状
- 異性の服の着用を好む
- 自分は反対の性であると主張する
- 目覚めたら反対の性の体に
なれっていればと願う - 異性に典型的なゲームや活動に
参加することを好む - 自身の性器に対して陰性感情を抱く
満足した生活が成り立つことも多い
- 社会の中で異性として働き・生活できる
- 好みの外見になる方法を習得
- 身分証明書(例:運転免許証、
パスポート)を取得
社会・家族に受け入れられず
問題となるケースも
- 不安、うつ病、自殺行動など
性別不適合行動を受け入れてもらえないことに伴う、
社会的および家族的ストレス因が関連していると
いわれています。
性別違和の診断
- ・6カ月以上にわたって認められる出生時の性と自らが感じる性同一性との著しい不一致(異性への同一化)
- ・6この不一致により生じた臨床的に重大な苦痛または機能障害
治療
- ・精神療法
- ・一定の年齢以上(典型的には16歳以上)の患者に対しては、
必要に応じて同意と承諾を得た上で、ホルモン療法(cross-sex hormone therapy)と、
ときに性別適合手術やその他の性別確認手術(gender-affirming surgery) - ・心理的苦痛と機能的障害が併存しなければ、治療の必要はありません(障害とはみなさない)
まとめ
- ・性別違和を精神障害とみなすべきかどうかについては議論が多いです。
- ・性別違和は医学的な病態であると考える学者と、人間の性同一性および
性別表現における正常な変異であると考える学者がいます。 - ・性別違和の診断は、出生時の性と、自らが感じる性との不一致が顕著で、
それにより著しい苦痛や機能障害が引き起こされている場合にのみ下されます。
出展: 性別違和および性転換症 - 08. 精神障害 - MSDマニュアル
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